世界農業遺産の徳島剣山系支援協議会通信-No.31

静岡大学・稲垣教授の視察   [平成28年 2月 9日(火)]

・昨年度の事業報告をします。静岡県はいち早く茶草場農業で世界農業遺産が指定されたが、その立役者であった静岡大学学術院教授である稲垣栄洋氏の依頼を受け、支援協議会メンバー(永井英彰・林博章・野田靖之)は、2015年(平成27年)8月19日と20日にかけ、剣山系の傾斜地農業のガイドを務め、今後の世界農業遺産交流を視野に含めた有意義な意見交換を行った。
・最初に、剣山系の結晶片岩土壌が堆積した吉野川下流域農業を案内。次に美馬市穴吹町のハッサクで有名な仕出原集落、巨樹と伝統農業が一体化している馬内集落、中野宮集落、渕名集落、次に、つるぎ町貞光の浦山・引地集落、最後に三好郡東みよし町の西庄集落(五名下)を案内した。
・静岡県の茶草場農業もカヤを用いる農業で、剣山系と共通するが、稲垣教授と意見が一致したのは、巨樹や古木、社叢林をシンボルとしながら傾斜地農業を営むという、自然への畏敬と生態系の保全に関わる農業が生き続けていることであった。今後、剣山系が世界遺産認定となれば、静岡県と黒潮文化交流構想も提言できる。

静岡大学・稲垣教授の視察1

 ※美馬市穴吹町のハッサクで有名な仕出原の視察、果樹とカヤ場の共存風景。

静岡大学・稲垣教授の視察2

 ※つるぎ町貞光の浦山から見たソラ世界の遠景。

静岡大学・稲垣教授の視察3

 ※傾斜地農業と森林信仰農業の一体化が見られるつるぎ町貞光の野津郷大権現。

静岡大学・稲垣教授の視察4

 ※東みよし町西庄の大師講。相互扶助社会を支えている。

静岡大学・稲垣教授の視察5

 ※東みよし町西庄の畔に大量にカヤを施用した等高線農業。


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