阿波世界農業遺産

剣山系の伝統的な育苗(いくびょう)技術

・剣山系に残存する伝統農業の一つが[育苗技術]である。これは、カヤを主とする刈草の発酵熱を利用した、有用菌の共生関係を利用した技術である。常畑の周辺に生えるカヤ・落葉・雑木・草木を利用して苗を作る姿は、自然の循環を切断しない農業そのものである。これは、「持続可能な農業方法」(農業システムの持続的管理)」の基盤技術と知恵に相当し、古代刈敷農業と発酵技術とを融合させた高度な技術であるといえよう。

剣山系の伝統的な育苗技術1
※つるぎ町一宇字上剪宇の育苗箱

剣山系の伝統的な育苗技術2
※一宇字明谷の育苗箱。保温が必要な場合は、カヤを置く。発酵し過ぎた場合は、温度を下げるため、横に天水を受けるドラム缶を置き、上からその水を掛ける


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