阿波世界農業遺産

剣山系の森林信仰農業

・剣山系では、傾斜地集落の要所に社叢林・森や巨樹・巨木を残し、信仰の対象、或はシンボルとし、または「山の神」「入らずの森」として崇め、自然への畏敬、感謝を捧げるという宗教的心情をもち農耕生活を営んでいる。巨樹・巨木・社叢林・森は、傾斜地農業を営む人々の精神・宗教的な価値を支え、安心・安らぎ・潤いを与える集いの場所ともなっている。また、土壌流出や集落崩壊を防ぐ役目、遺伝資源の保存、生物多様性の保持など多様な役目を果たしている。
[作成] 林 博章

剣山系の森林信仰農業1
※つるぎ町貞光字猿飼の最上部「新田神社」の鎮守の森、樹齢800年の巨杉や
  ウラジロガシの巨樹がある。下に「猿飼堂」がある。

剣山系の森林信仰農業2
※美馬市穴吹町田方の山神を祀る森の下部に傾斜畑と採草地が広がっている。

剣山系の森林信仰農業3
※美馬市穴吹町馬内のシンボルとなる榎の巨樹。地元では三宮さんと呼ばれ、
  周囲に多様な作物が栽培される傾斜畑が広がっている。

剣山系の森林信仰農業4
※美馬市穴吹町渕名の最上部に守られた庚申の森(入らずの森)

剣山系の森林信仰農業5
※美馬市穴吹町中野宮の隠居の森の周囲に傾斜畑が形成され、多様性農業の
  お手本と呼ぶべき風景が広がっている。

剣山系の森林信仰農業6
※美馬市穴吹町中野宮の笠仏森の周囲に傾斜畑が形成されている。

剣山系の森林信仰農業7
※三好市井川町大久保の石倉神社の巨樹を中心として、その周囲に多様性農業
  のお手本と呼ぶべき風景が展開されている。

剣山系の森林信仰農業8
※三好市井川町下影集落の滝神社の「鎮守の森」周囲に傾斜畑が広がっている。
  森が農業や生態系、生物多様性、集落を守っている。


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