阿波世界農業遺産

伝統農法-コエグロ編-写真展1

穴吹町馬内の「コエグロ」のある日本原風景

穴吹町馬内の「コエグロ」のある日本原風景 ・これは、穴吹川中流域西岸、美馬市穴吹町馬内の畑地に置かれたコエグロ(カヤ束・肥料束)である。自然循環型の有機物利用農法のシンボルとしてコエグロは、阿波が生み出したその土地の環境を生かした伝統農法である。にコエグロのある風景は、農業により育まれ維持されてきた農村文化・民俗の一つで、芸術的にも日本の原風景となる農村景観を構築している。この馬内のコエグロの調査より、阿波の農業遺産の意義を深く見つめる調査が始まった。

穴吹町馬内のコエグロ作りの風景

穴吹町馬内のコエグロ作りの風景 ・美馬市穴吹町馬内の西浦宅におけるコエグロ作りの風景。コエグロは、阿波が生み出したその土地の環境を生かした伝統農業であり、世界農業遺産のシンボル、自然循環型の有機物利用農法のシンボルとしてPRすべきである。これは、縄文後期の竪穴式住居の構築方法の延長線上にある技術とも解釈すべきであろう。穴吹町渕名の縄文後期の石棒の発見からは、将来的に縄文期の系譜をひく農法として紹介されるだろう。

穴吹町半平の芸術的な「コエグロ」

穴吹町半平の芸術的な「コエグロ」 ・美馬市穴吹町の奥、穴吹川東岸、半平字大平の標高約240m付近の高地性傾斜地集落。約30度に迫ろうかという傾斜畑地に作られた芸術的なコエグロ(カヤ束・肥料束)。コエグロは、「ソラの世界」の農業芸術遺産であり、阿波が生み出した土地の環境や風土を生かした伝統農法でもある。今後、世界農業遺産のシンボルとしてPRすべきである。また、コエグロのある風景は、芸術・美術的にも価値が高く、FAOが説く伝統的農村景観を構築しているといえる。

穴吹町渕名のコエグロ群(カヤ束群)

穴吹町渕名のコエグロ群(カヤ束群) ・美馬市穴吹町渕名の最上部、標高約500m付近、眼下には吉野川と徳島平野を見下ろすソラの世界、その天上の里山に作られたコエグロ(カヤ束・肥料束)群。コエグロは、「ソラの世界」の農業遺産であり、阿波が生み出した土地の環境や風土を生かした伝統農法でもある。今後、世界農業遺産のシンボルとして積極的にPRすべきである。また、コエグロのある風景は、芸術的にも価値が高く、FAOが説く独特な伝統的農村景観を構築している。

穴吹町中野の芸術的な「カヤ場の株」

穴吹町中野の芸術的な「カヤ場の株」 ・これは、穴吹川中流西岸、美馬市穴吹町中野の一角に作られたカヤ場(肥場)の風景である。肥料等になるカヤは、カヤ場で秋にススキの穂が出る頃まで放置される。そして、10月末に約3mに伸びたカヤが刈られ、コエグロ(カヤ束・肥料束)が作られる。カヤを刈り取る際は次年度のために株を残しておく。その株が小さい時も芸術的となる。コエグロとともにカヤ株の風景もまた、日本原風景となる農村芸術の一つであるといえよう。

穴吹町中野のカヤ束置場

穴吹町中野のカヤ束置場 ・これは、穴吹川中流域西岸、美馬市穴吹町の中野地区の一角で見られるカヤ束置場の様子である。秋に刈られたカヤは、冬場はコエグロ(カヤ束・肥料束)にして保存するか、このように農家の納屋の一角に置いて保管されるのである。これらカヤを有効利用する智恵と農村文化こそが、その土地の環境を生かした伝統農業にあたるのであり、阿波の山間部では、このような風景が今でも随所に見られるのである。

貞光字家賀下のコエグロのある風景

貞光字家賀下のコエグロのある風景 ・美馬郡つるぎ町貞光の大規模高地性集落となる家賀で見られるコエグロ(カヤ束・肥料束)のある風景。自然循環型の有機物利用農法のシンボルとしてコエグロは、阿波が生み出したその土地の環境を生かした伝統農法にあたる。これらコエグロのある風景は、農業により育まれ維持されてきた農村文化にあたり、芸術的にも価値が高く、日本の原風景となる農村景観を構築しているのである。

一宇のコエグロ群(ソラ世界の原風景)

一宇のコエグロ群(ソラ世界の原風景) ・つるぎ町一宇の一宇地区の傾斜畑に作られた壮大なコエグロ群(カヤ束・肥料束)。自然循環型の有機物利用農法のシンボルとしてコエグロは、阿波が生み出したその土地の環境を生かした伝統農法である。これらコエグロのある風景は、農業により育まれ維持されてきた農村文化にあたり、伝統的にも価値が高く、ソラの世界の原風景を構築している。

一宇字大野のカヤ運び(ソラ世界の原風景)

一宇字大野のカヤ運び(ソラ世界の原風景) ・つるぎ町一宇字大野の高地性傾斜地集落の最上部で撮影したカヤ運びの風景。カヤ利用農法は、阿波の「ソラの世界」特有の伝統的な、その土地の環境を生かした農法であった。「ソラの世界」の農民にとってカヤは、農業のために必須で、共有地となるカヤ場や、尾根伝い、一山越えて運ばれたのである。

貞光字捨子の「コエグロ」がある風景

貞光字捨子の「コエグロ」がある風景 ・つるぎ町貞光の捨子地区の道端に作られた芸術的な「コエグロ」(カヤ束・肥料束)。背後には、忌部氏ゆかりの友内山や他地域の天空の集落(高地性傾斜地集落)が見える。コエグロは、「ソラの世界」の農業芸術遺産でもあり、阿波が生み出した土地の環境や風土を生かした伝統農法でもある。今後、世界農業遺産のシンボルとしてPRすべきである。また、コエグロのある風景は、芸術的にも価値が高く、FAOがいう伝統的農村景観を構築しているといえる。


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